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食品添加物一覧

添加物恐怖症の姉を論破するために勉強する気になった。姉は例えばチョコレートの品質表示を見て「乳化剤は腸を傷つけるからだめ」などと言っているが、認可されている乳化剤は1000種類以上あり、それぞれ特徴が異なる。姉はまた「このチョコレート珍しく乳化剤が入っていない」などと言って喜んでいるが、品質表示には「レシチン」と書かれている。レシチンは乳化剤だ。

添加物恐怖症は食品添加物をよく知っているような顔をしていて、実は何も知らないのだ。何も知らないから恐れるのだろう。食品に何を加えても安全だと主張するわけではないが、添加物の大半は無害であり、健康に資するものも少なくない。こういうと納得できないという人もいるかもしれないが、大前提として危険なものは法的に使用が制限されているのだから害のないものだけが残っていくのは当然ともいえないだろうか。例えばタール色素(赤色102号など)はかつてはありふれていたものの今ではめっきり見なくなった。吉野家の紅ショウガでしか見ていない。すき家は野菜色素だ。

さて、この記事ではまずは添加物に関する基礎知識をざっと概説して、その下に一覧を設ける。

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食品添加物とは


食品添加物は大別して4つの目的がある
1, 製造用材: 目的の食品を作るためにどうしても必要なもの(豆腐を固めるにがりなど)
2, 甘味料、着色料、香料: 風味や外観をよくするもの
3, 保存料、酸化防止剤: 品質を保持するためのもの
4, 栄養強化剤: とくに健康食品などに添加されるもの

さらに製法のタイプは2種に大別できる
1, 天然の動植物から化学合成ではない加工によって作るもの
2, 化学合成で作られるもの(天然に存在する化学合成物も含む)

勘違いしやすい点として以下は覚えておく必要がある。食品添加物のすべてが化学合成されたものというわけではないということ。自然の動植物も化学合成を行うということ。人はタンパク質を摂取するが、それは腸内でアミノ酸に分解され、そのアミノ酸を化学合成して血や肉を作っている。

また驚くほど多くの添加物が「デンプン由来」であることに気が付くが、デンプンを発酵して作られたものでも、目的のものを抽出するために様々なものが加えられている。不純物を取り除くためにニッケルやら石灰やらケイ素やらをぶち込んでできたものが「デンプン由来の糖類」だったりするので「デンプン由来」がナチュラルというわけではない。逆もまた然りで石灰やらケイ素やらをぶち込んだから危険だというわけではない。

ミネラルとは: 無機物のことであり有機物でないもの全て。炭素化合物でないもの全てだ。鉄も亜鉛もヒ素も金も塩もミネラルだが砂糖は炭素化合物なのでミネラルではない。燃えるものは炭素化合物。

発酵: 広義には生物が有機物を代謝してエネルギーを得る過程
酵素: 化学反応を誘発する触媒
酵母: イースト。発酵に用いられる菌。酵母菌
例えばデンプンを発酵させる場合、どの微生物が発酵を行うかでできるものが異なってくる。特定の酵素を用いると狙った微生物の働きが活発になり、狙ったものが作られる。または直接狙った微生物(酵母)を投入すると狙ったものが作られる。

加水分解: 水(水素)を加えて化合物を分解する。かなり乱暴に言えば、ある種の化合物に水を加えると水酸化物である「〇〇酸」と「アルコール」に分解できる。


上で添加物にはデンプン由来のものが多いと言ったが、デンプンは多糖類だ。糖は基本的には食品扱いだが、食品添加物を学ぶ上でどうしても糖類を避けて通ることはできない。この項は難解なので飛ばしてもよい。

単糖: それ以上加水分解されない糖類。複数の糖が結合(脱水縮合)して多糖を形作る際の構成要素となる。(加水分解は上の項に説明している)
多糖: 単糖分子が多数重合した物質の総称。デンプン、グリコーゲンなど。中には増粘剤として用いられるようなものも多い。
ブドウ糖: 単糖類。単純な糖、グルコースのこと。血糖として動物の血液中を循環している。すなわち血糖とはブドウ糖である。植物ではデンプン、動物ではグリコーゲンのようなポリマーとして貯蔵される。ブドウから初めて単離されたのでブドウ糖と呼ぶ。デンプンを加水分解して得られる。
果糖: 単糖類、フルクトースとも。果物に多く含まれる。果糖は中性脂肪を増やす効果が高い。化学式はグルコース(ブドウ糖)と同じC6H12O6であるが、構造が異なる。
果糖ブドウ糖液糖: 果糖とブドウ糖の混合。デンプンから作れる砂糖という立ち位置で広まった。手軽なのだ。ブドウ糖を異性化することで(酵素かアルカリを用いて分子構造を変えることで)果糖に変化させると甘味を増すことができる。コーンシロップ(トウモロコシ)を、酵素かアルカリによって異性化した果糖とブドウ糖を主成分とする糖である。
オリゴ糖: 複数の多糖類の総称だが明確な定義はない。もともとは母乳に含まれるビフィズス菌増殖因子。ヒトはオリゴ糖を直接分解する消化酵素を有していない。

砂糖: 白砂糖の主な成分はスクロース(ショ糖)である。サトウキビやテンサイなどから作られる。
ショ糖: スクロースのこと。グルコース(ブドウ糖、単糖類)とフルクトース(果糖、単糖類)が結合したもので二糖類。サトウキビやテンサイから得る。ショ糖の結晶を大きく成長させると氷砂糖になる。約170 ℃に加熱するとカラメルになる。

糖質: 単糖を構成成分とする有機化合物の総称。そういう意味では炭水化物のことだが、栄養学上は炭水化物とは糖質と食物繊維の総称とされる。通常、炭水化物は多糖類であるデンプンを多く含んでいる。生物に必要不可欠な物質であり、骨格形成、貯蔵、代謝等に広く用いられる。

乳化剤


界面活性剤のこと。すなわち洗剤と同じ作用を持つ。界面活性剤は食品に使われる場合は乳化剤となる。牛乳には油と水が含まれているのに分離していないのは乳化しているからだ。洗剤で油汚れが落ちるのも同じ理屈。乳化剤は混合されたものを均質にする作用がある。ドレッシングの油と水分を分離しないようにしたり、豆腐などに気泡ができないようにする働きがある。逆にホイップクリームなどでは粒をそろえ、ボリュームと滑らかさを持たせる。

また、十二指腸に排出される胆汁も海面活性剤であり、脂肪を吸収するのを助けている。つまり「乳化剤」は生命活動に不可欠であり、それ自体が有害であるという主張には無理がある。しかしこれは洗剤を飲んでも問題が無いという意味ではなく、それぞれの乳化剤の性質を精査する必要がある。ところが食品の品質表示には「乳化剤」としか書かれていない場合が多く、具体的な成分が書かれていたとしても認可されている乳化剤が1000種類以上存在するので覚えておくことは難しい。以下が主な乳化剤になる。

グリセリン脂肪酸エステル: 最も消費量が多い。業界ではモノグリと呼ばれる。マーガリンの水滴分離防止や、パンが固くなるのを防ぐ目的。

レシチン: 大豆の種子やアブラナ、卵黄の油脂から抽出。天然成分だがアレルゲンになりうる。また遺伝子組み換え大豆が使われることがある。肝臓に良い影響を与える可能性がある一方、血管に良くない可能性も指摘されている。

ショ糖脂肪酸エステル: ショ糖エステルとも。油脂から得た脂肪酸とショ糖を反応させて製造する。催奇形性を指摘する声もある。パン、ケーキ、アイスクリームなど幅広い用途。

カゼインナトリウム: 牛乳由来。缶カフェオレに入っている。カルシウムの吸収を助ける一方、アレルゲンとなりうる。安全性は高いとされる。

増粘安定剤、増粘多糖類、糊料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤


粘度のあるもの。目的の感触、触感を得るため、形を整えるために使われる。まとめて語ることはできないが、でんぷんや果実、藻類などから直接もしくは発酵する等の手法により抽出する場合が多い。ジャム、ゼリー、プリンなどに使われるが、たくさん食べるとおなかが緩くなるものが多い。

キサンタンガム: トウモロコシを発酵。液体の粘度をあげ、しっとり感を向上。あんかけのとろみやタレ、サラダドレッシングなど。使いやすく安全性は高い。

ペクチン: サトウダイコン、ヒマワリ、オレンジから酸抽出(アルカリ性の何かを加えて中和すると出てくる)。ジャム、ゼリーなど酸っぱいものに使いやすい。

カラギーナン: 主に藻から。アイスクリーム、乳製品などを分離しないようにする(増粘安定剤)。またコンビーフ、パテなどに油もどきとして用いられる。マウスに対して発がん性が指摘されている。人には問題ないという説が有力だが懐疑論もある。ちなみに消化器の泡のしつこさを出すのにも用いられる。

グルコマンナン: 蒟蒻芋に多く含まれる水溶性中性多糖。人の消化酵素で消化できず、また胃の中で水を吸って何十倍にも膨れる。整腸作用がある。

アルギン酸ナトリウム: 増粘剤。多糖類食物繊維。昆布のとろみがこれ。アルギンと呼ばれることも。酸性には使いにくい。アルギン酸類は、全て海藻(褐藻類)からの抽出。

アルギン酸エステル: ドレッシングなど酸性の液体でも使いやすいアルギン酸。乳化作用もある。

セルロース: チーズなどに安定材としてよく用いられる。形が整う。セルロースは植物の主成分であり、野菜を食べることはセルロースを食べることと同義。木材を見ればわかるように非常に安定していて動物には消化されないのでほぼそのまま出てくる。整腸作用がある。工業的にはグルコース(ブドウ糖)を酵素により発酵させてつくる。

HPMC: ヒドロキシプロピルセルロース。原料はパルプ、ようするに紙。生理的に無害かつ化学的に不活性。錠剤、顆粒剤の結合剤。増粘剤、乳化安定剤。こぼれにくい肉汁やケーキのボリューム感を上げたりと多用途。安定しているので多量に摂取しても無害と言われる。

プルラン: デンプン由来の糊料。錠剤の接着剤やタレの増粘剤、グミなどの保水材、つやだしなど。またフィルムやカプセルなどにも使われ、安全性が高い。

加工デンプン: 増粘剤。天然デンプンの特性を改良したデンプンの総称。もちろんキサンタンガムやデキストリンもデンプンを由来だがこれらは増粘多糖類。2010年にアセチル化アジピン酸架橋デンプンなど10種類が添加物として扱われるようになり、表示は一括して加工デンプンとすることがゆるされた。冷凍、冷蔵に強いらしい。

デキストリン: デンプン、グリコーゲンの加水分解によって得られる多糖類の総称。エキスの顆粒化に使われる。駄菓子類などでは醤油やソースを粉末状にするためによく用いられる。粘度の調整にも使われる。デンプンの糖化度合いによってデキストリン→マルトデキストリン→粉飴となる。(必ずしも増粘剤だとか糊料だとか呼ばれるわけではない存在。デキストリンはデキストリンか)

調味料(食品添加物としての調味料)


アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4つのグループに大別される。「調味料(アミノ酸等)」「調味料(有機酸等)」などと表記される。ちなみに味噌や醤油は食品であり食品添加物ではない。

アミノ酸: グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、アラニン、イソロイシンなど。水に溶けやすい。グルタミン酸は昆布。

核酸: イノシン酸二ナトリウム、ウリジル酸二ナトリウムなど。イノシン酸はカツオや煮干し。

有機酸:: コハク酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウムなど。貝のうま味であり、シーフードヌードルなどに含まれる。

無機塩: 塩化カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウムなど。塩の代わりに用いられる。しかし例えば塩化カリウムは塩味が弱く、苦味があるので塩とまったく置き換えることはできない。

グルタミン酸ナトリウム: うま味調味料。サトウキビから砂糖を搾り取った残滓を発酵させる。発酵を調節するために添加剤や抗生物質などが用いられている。常識的な量では健康に影響はないが、多量に摂取すると頭痛などを引き起こすことがわかっている(チャイニーズレストラン症候群)。塩などと違い抵抗なく多量に摂取できるという点に注意が必要。

たんぱく加水分解物: 添加物ではなく、食品あつかい。うま味調味料だが、タンパク質を加水分解させることで得られるものを言う。具体的には残り物の小麦や肉、魚などと塩酸を反応させる場合が多い。反応自体は人間の胃の中で起こる反応と同じなので問題にされないが、原料の脂肪(グリセリン)と塩酸との反応でクロロプロパノール(発がん性、腎臓への毒性の疑いがある)が生成される場合があり、法的規制はないものの日本生協連が基準値を設けている。「味の素」では酵素分解法を用いる。

ホエイソルト: 乳清ミネラル。調味料(無機塩)。お菓子の味の調整に用いられる。ホエイ(ヨーグルトの上澄み)からイオン交換膜で分離。

保存料、酸化防止剤、日持ち向上剤


トレハロース: 糖の一種。高い保水力があり、食品や化粧品に使われる。さっぱりとした上品な甘みがあるが甘味料というよりは、品質保持効果が期待されている。乾燥や凍結から食品を守り、苦味や渋味、えぐ味、生臭み、けもの臭、レトルト臭などを抑える。ジャガイモやトウモロコシのデンプンを酵素により化学反応させて得る。

グリシン: 非必須アミノ酸の一種。ゼラチンに多く含まれる。つまり人の体を形作る部品でもある。静菌作用があり、ほのかに甘く、癖はない。そのため総菜、菓子などに日持ち向上剤として用いられる。工業的にはホルムアルデヒドやらシアン化水素やらを使う。これらの原料のイメージは悪いが、ある研究によれば長寿効果をもたらす可能性がある。動物実験では前立腺癌、乳癌、結腸直腸の発生を抑える効果が確認されている。

ソルビン酸カリウム: 保存料。抗菌力は弱いが水によく溶け、カビ、酵母、細菌と幅広く効果を発揮する。ハムなどに使われている発色剤と結合すると、発ガン性物質となる。天然ではナナカマドの果汁に見つかる。

安息香酸ナトリウム: 微生物の増殖を抑える。酸性度の高い食品でとくに効果を発揮する。天然ではアンソクコウノキの樹液。

亜硝酸ナトリウム: 発色剤。加工肉の発色剤・防腐剤。肉加工品の塩せきに用いられ、特に非加熱のソーセージには発色や細菌繁殖を抑制する目的で添加が義務づけられている。ボツリヌス菌の増殖や病原性大腸菌の毒素(ベロトキシン)増加を抑える効果がある。亜硝酸ナトリウム自体に発がん性はない(致死量は2g)ものの、肉に含まれるアミンと反応して発がん性(特に胃がん)のあるニトロソアミンの生成を促す。もともとはノルウェーの飼料用のニシンの保存に亜硝酸ナトリウムを使っていたところ、家畜の肝臓がんの頻度が上昇した。

リゾチーム: 日持ちを向上。真正細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解する(溶菌を引き起こす)酵素。卵白や人の唾液、イチジクなどに含まれる。酸性で効果が高まる。

グリセリン: 甘味料、保存料、保湿剤、増粘安定剤。アルコールの一種。保湿剤として化粧水の重要な成分でもある。

pH調整剤


pH(水素イオン指数)調整作用を持つ添加物の総称。食品における腐敗防止や変色防止の目的で添加される。

水酸化カルシウム: 消石灰とも呼ばれる。こんにゃくの凝固剤。pH調整剤。強アルカリ性で殺菌作用がある。大量に摂取すると肝機能、腎機能に影響を与えるが、基本的に胃酸で中和される。

酢酸ナトリウム: 酢酸ソーダとも。酢酸ナトリウムとして表示される場合は日持ち向上剤。pH調整剤と表示される場合もあり、調味料ならば「調味料(有機酸)」となる。染料の媒染剤でもある。

ビタミンC: V.Cとも表記される。酸化防止剤。おもにL-アスコルビン酸で、ブドウ糖から酵素反応と化学合成で作られる。

ビタミンE: 酸化防止剤。油脂を含む加工食品の酸化を抑え、酸化による異臭の発生、変色等の品質劣化を防ぎ、製品の品質を保つ。小麦、菜種、大豆、トウモロコシなどが原料。

製造用材


メタリン酸ナトリウム: メタリン酸塩。金属イオンの封鎖効果があることから食肉や魚介練り製品などの結着剤として、あるいは果実の缶詰の褐変防止に用いられる。しかしラーメンの麺のかんすいの主成分のひとつとしてもっとも馴染みがある。つまり結着材、つなぎである。歯磨き粉にも使われ、ステインの固着を防ぐ。使用基準が設けられていないので安全と考えられる。

かんすい(梘水): 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二ナトリウムなどの食品添加物として認められているアルカリ性物質。小麦のフラボノイドがアルカリと反応してほんのり黄色くなる。中華麺のコシ、もちもち感を産む。かんすいを入れなければラーメンはそーめんになる。本来は中国の内モンゴルにある塩湖(鹹湖)のアルカリ性物質を多く含む水を使うと、なぜかコシの強い麺ができることから、その水を煮詰めたり固形化したものが使われるようになった(諸説ある)。個人で中華麺を作る場合は重曹で代用される。

塩化マグネシウム: にがりの主成分。海水から採取。にがりとして用いたり、肥料、凍結防止剤などに使われる。清涼飲料水ではイオン濃度を調節して水分吸収の促進を図る(硬水のようにする)。

くん液: 燻製と同じような色と香りをつけるための液体。サトウキビ、竹、トウモロコシなどの木酢液、竹酢液。

膨張剤


生地を膨らませ、多孔質にする。イースト、重曹、ベーキングパウダー(BP)など。BPはいろいろなものが混ざっていて物によって違う。膨張剤とだけ表示されている場合もある。

炭酸ナトリウム: 炭酸ソーダとも。食品以外にもガラスの原料、洗剤など有用。天然ではトロナ鉱石から得る。天然ものは世界の28%、工業的にはソルベー法(石灰石、アンモニア、塩化ナトリウム、水)で得る。ちなみにトロナはセスキ炭酸ナトリウム二水和物。かつてはナトリウムが豊富な土壌で育った植物の灰から抽出されていた。

炭酸水素ナトリウム: 重曹のこと。

乳酸カルシウム: ベーキングパウダーに用いられる。メロンなどのカットフルーツの食感維持のためにも用いられる。また、エナメル質の再石灰化を促すため虫歯予防のシュガーレス食品に添加される。

硫酸アルミニウムカリウム: ミョウバンのこと(アルミニウムに限らず、鉄ミョウバン、カリウムミョウバンも存在する)。炭酸水素ナトリウムと一緒に使われ、ガス発生を持続させることができる。膨張剤として硫酸アルミニウムカリウムの使われた食品を食べるとWHOの示すアルミニウム1日の摂取量を簡単に超える。動物実験では神経や生殖器に影響があるが人体への影響は明らかではない。認知症との関連を指摘されたこともあるが今は否定されている。

食感向上


食用乳化油脂: マヨネーズ様のもの。クリームのようなもの。油+乳化剤と思えばよいがどの油とどの乳化剤なのか不明なので気持ち悪い。

リン酸塩: ハム・ソーセージなどプリッとした食感になる。結着材であり、また弾力を与える。過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害される。とはいえリンは、海苔、黄な粉、するめをはじめとして豆類、魚類に多く含まれているので添加物からの摂取を避けることでどれほど意味があるのかは疑問。禁止されていないが排除される流れがある。余談だが細胞を作るのにはリン酸(DNA)、炭素、窒素が欠かせない。リン酸以外はほぼ無尽蔵にあるので、リン酸が過剰に供給されるとたとえばプランクトンの大量発生などを引き起こし生態系を破壊する。

微粒酸化ケイ素: シリカ、二酸化ケイ素とも。基本シリカゲルと同じものだが食品には無水ケイ酸が使われる。粉末調味料などがダマにならないようにする固結防止剤として使われる。ガラス玉のようなもので消化も吸収もされない。ただし厚労省は「母乳代替食品及び離乳食に使用してはならない」としている。

着色料


〇色〇号というタイプの着色料はタール色素とよばれ石油由来。明らかに危険なものから安全とされるものまであるが、最近ではめっきり見なくなった。

紅麹: ベニコウジカビで米を発酵させることで得られる。ベニコウジカビの近縁種が混ざるとマイコトキシンの一種シトリニンが混入する場合がある。これは腎臓毒として作用し、バルカン腎症や黄色米熱の原因と考えられている。つまり紅麹自体は安全だがものによってはよくない不純物が混ざっている。

アナトー: ベニノキの種子から抽出。黄-赤。

コチニール: カメムシ目カイガラムシを乾燥させ、水またはエタノールで抽出。コチニールカイガラムシはエンジムシのこと。すなわちえんじ色。絵具ではクリムソンレーキやカーマインと呼ばれたが、今は別のもので代用されることが多い。動物由来なので宗教的に忌避される場合がある。アレルゲンでもある。

紅花黄: 着色料。キク科ベニバナの色素、フラボノイド。フラボノイドはポリフェノールの項で説明。

クチナシ: 着色料。アカネ科クシナシの色素。黄色だがこちらはカロチノイドの一種、クロシン。クロシンはサフランの黄色と同じ。

カロチノイド、カロテノイド: 動植物界に広くみられる黄色、オレンジ、赤色ないし紫色の一群の色素。水に溶けない。ニンジン、卵黄、カキ、フラミンゴなど。ビタミンAの前駆体の前駆体であり、抗酸化作用も期待されている。ベータカロチン、リコピンなど300種類がある。

甘味料


天然甘味料はもちろん天然のもの。「人工甘味料」はバズワード(定義がはっきりしない)。キシリトールやソルビトールは天然に存在するが人工的に作られることもある。合成甘味料は天然に存在しない。ズルチン、ペリルアルデヒド(紫蘇糖)、チクロなど使用が禁止されたものも多い。使用されているものでも腸内細菌のバランスを崩すとされるものもある。

ソルビトール: ソルビットとも。甘味料、品質保持剤。俗にリンゴの蜜と呼ばれるあれがソルビトール。バラ科植物はでんぷんをグルコースに変化させ、それをソルビトールに変えて果実に転流する。カロリーは砂糖の75%(体積比)だが甘さは砂糖の60%。水と吸熱反応をするため、ひんやりとし、さわやかな印象を与える。そのため飴の清涼剤としても用いられる。水産練り製品では水分保持剤としても用いられる。安全性は高く、発がん性もなく、国際機関でも摂取許容量は定められていない。糖尿病は注意。

スクラロース: 合成甘味料。ショ糖(スクロース、普通の砂糖)に近い構造。ショ糖の600倍の甘味でアイスクリームや清涼飲料水によく用いられる。同じく甘味料のサッカリン(合成)やステビア(天然)に見られる苦味や渋みがない。ショ糖のように体内で炭水化物として消化、吸収はされないため、生理的熱量はゼロである。また、スクラロース自身は、非う蝕性で、虫歯の原因にならない。コカ・コーラゼロなどは甘味料としてスクラロースをメインに使っている。今のところ毒性は報告されていない。ショ糖を塩素置換することで得る。

アセスルファムカリウム: 合成甘味料。アセスルファムKとも。スクロース(ショ糖)の200倍の甘味。後味をひかないすっきりとした甘み、しかし少し苦味が残る。そのため甘さの後びきのあるアスパルテームと相性が良い。香りを引き立てる効果があるためチョコレート、紅茶などによく用いられる。虫歯の原因にならない。無害だが製造法によっては溶媒に発がん性のあるジクロロメタンが使われることもあるという指摘もある。コカ・コーラゼロなどはサブの甘味料としてアセスルファムKを使っている。

サッカリン: 合成甘味料。痺れるような刺激の後味、苦味を持つ。これ自体は水に溶けないがサッカリン酸ナトリウムは水溶性。発がん性の懸念から日本では食品衛生法で使用が制限されている。しかし中国やアメリカでは大量に使われる。歴史が長く様々なデータがあるが、発がん性は無いと考えられているが、糖尿病誘導の懸念も指摘されている。カロリーゼロ。

アスパルテーム: 合成甘味料。ショ糖の100~200倍の甘味で同程度のカロリー。つまりゼロカロリーではない。砂糖に近い柔らかな甘み。腸内ではメタノール、L-アスパラギン酸、L-フェニルアラニンに分解される。後ろ2つは天然型のアミノ酸だが、メタノールは失明など人体への毒性が知られている。とはいえ微量なので問題ないと考えられている。微量のメタノールは果物や野菜や酒類にも含まれている。加熱すると甘さが変質する、甘くなくなるという弱点がある。

キシリトール: カバノキ由来、天然の代用甘味料。カロリーはショ糖(スクロース)の6割。加熱しても甘味に変化がない。キシリトールは口腔内の細菌による酸の産生がほとんどなく、またミュータンス菌の一部の代謝を阻害する。つまり虫歯になりにくい。再石灰化促進作用が謳われることもあるがエビデンスは弱い。単純にガムを噛むことによる唾液の作用の可能性がある。犬が多量に摂取すると肝機能に障害が出るとも。

還元麦芽糖水飴: デンプン由来、糖アルコールの一種。低カロリー。保湿性に優れ、しっとり感が長持ち。成分はほとんどがマルチトールである。

還元水飴: 水飴に水素(おもに水)を加えることで化学変化させるとマルチトールやソルビトールが形成される(加水分解)。水飴はでんぷんを発酵させたものでマルトース(麦芽糖)、グルコース(ぶどう糖)、デキストリン(デンプンとマルトースの中間)など、使用する酵素によって成分が変化する。それを加水分解するというわけ。(分類であり。この名前で原材料表示には出ない)

糖アルコール: ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水あめ、キシリトール、エリスリトールなど。体内で消化されないまたはされにくいものが多い。水飴は糖アルコールではない。糖アルコールは「食品」と分類されるものと、「食品添加物」に分類されるものがある。食品はまとめて「還元水飴」、添加物ならばたとえば「甘味料(ソルビトール)」と表記。これらは例えば糖類にニッケル触媒を使用し、高温高圧下で水素を反応、還元して製造(接触還元)する。(分類であり。この名前で原材料表示には出ない)

ポリフェノール


植物が光合成を行うときにできる物質の総称。光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける。抗酸化作用があるといわれる。ほぼ栄養強化剤と着色料であるが、定義があまりに広く、原材料名にポリフェノールと表記されることはない。ポリフェノールの中で特有の構造をもったものがフラボノイド、フラボノイドの中でもマメ科が作り、女性ホルモン様の働きをするものがイソフラボンである。

フラボノイド: ポリフェノールの代表格。アントシアニン、カテキンやフラバンなどを含む。とくにフラボンやアントシアニンは天然色素として用いられる。アントシアニンは紅葉の色素でもある。チョコ、お茶、ワインなどポリフェノールを含むとして有名な食品にはフラボノイドが多く含まれている。

カテキン: チャノキなどが生成するフラボノイド。血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、抗酸化作用などがあるとされる。肝臓障害の原因となるとも言われていてヨーロッパでは規制されている。

イソフラボン: マメ科に多く含まれるポリフェノールでありフラボノイド。エストロゲン(女性ホルモン)に似た働きをするといわれている。そのため乳がんや骨粗しょう症に有効という触れ込みだが、はっきりしない部分も多い。

酵素処理ルチン: 酸化防止剤(食品添加物)。酸化防止効果(健康食品)。EMRとも。ルチンを酵素処理し、水溶性を高めた抗酸化力が非常に高いポリフェノールの一種。ソバに多く含まれるとして有名。

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じょなさん

Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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