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移民問題とは何か。移民に関する議論をかみ砕く

移民に関する議論をかみ砕くと、3つに集約される。

1, 国家が移民を受け入れることは義務なのか、好意なのか。答えはおそらく好意だ。しかし、「そうではない、人は自分の住みたい場所を選べるべきだ」とする考えもあるだろう。ここに線を引かなければ先へ進めない。ただ例外的に、隣国から戦火や迫害を逃れてくる難民を受け入れることは義務だ。

2, 移民はホスト国の文化と同化する義務を負っているのだろうか。例外なくホスト国は異文化に対して寛容な文化を持っている。寛容な文化は不寛容な文化を際限なく受け入れることはできない。なぜならば、それはいずれ寛容な文化ではなくなってしまうからだ。1つめのラインは、移民は少なくとも異文化に対する寛容さを共有する義務を負うか否か。さらに踏み込んだ2つめのラインは、移民は自分たちの伝統的な文化を捨ててでもホスト国に同化するべきか否か。前者はホスト国にとって多様性という財産を与えるかもしれない。後者は自分たちの伝統を守ることができる。

3, ホスト国はどの時点で移民である「彼ら」を「我々」として扱うのか。ローマ帝国や中国、南米など、歴史的に見れば外国人が現地人になるには数百年単位の時間が必要だ。しかし現代において移民3世に市民権が与えられていないとすれば差別としてとらえられるだろう。どの時点で「彼ら」は「我々」と同化するという義務を果たしたと判断するべきだろうか。彼らを最終的には一級市民として扱うという約束は、移民を受け入れるという決断をしたホスト国の義務だ。

移民に関する議論は右か左か、どちらが正しいのかという議論になりがちだ。しかしこれは民主主義的なプロセスを経て綱引きで妥協点を探るべき議論だ。この際に注意点もいくつかある。

1, 多くの国は移民の技術や安い労働力がもたらす利益に飛びつき、場当たり的に外国人労働者を受け入れたり、不法就労者に目を瞑ったりしている。長い目で見るとこの政策は階層社会を生み出すことになる。無力な外国人という下層階級を、市民権を享受する上層階級が搾取する社会だ。

2, どんな政府であろうとも、それを望まない地域に対して大規模な移民を押し付けるという政策は間違っている。移民を受け入れるということは時間のかかる、難しいプロジェクトだ。移民をうまく統合するためには地元住民の協力と支援が欠かせない。

3, 市民は移民を拒む権利を持っているとはいえ、自分たちの食べ物や衣類を安く作ってくれている遠い国の人々に対して道義的責任を負っている。彼らはわたしたちの緩すぎる環境税の犠牲者かもしれないのだ。

最近のニュースのまとめ

大阪都構想、府知事・市長クロス選挙


公明党はそもそも大阪府、大阪市の統合を望んでいない。大阪の公明党は大阪市会議員が力を持っているので統合により利権を失うのは困る。一方、衆院選では公明党は維新に勝てる見込みがなかった。維新は大阪での支持が厚く、衆院選で対抗馬を立てられることを嫌った公明党は維新と接近。公明党が都構想の住民投票で協力する代わりに、公明党が候補を立てる大阪・兵庫の6つの小選挙区で維新が選挙協力することで合意した。公明は維新のとったクロス選挙戦略を党利党略だと批判するが、策を弄して維新をだましたのは公明だ。

日本第二の都市である大阪府が地方交付税を受け取っているというのは組織に問題があると言わざるを得ない。組織は放っておくと肥大化し腐敗する。仕事のための仕事を作り始める。大阪にしても官僚機構にしても、行政改革は常に必要な物。

ちなみに、東京府・東京市体制を壊したのは東条英機らしい。


日本の財政だとか、モダンマネタリーセオリー(MMT)だとか


債務残高対GDP比が安定していれば財政は問題ない(MMT、正当性に議論もある)。

日本の財政に負担となっているのは社会保障費。しかし今まではなぜか行政の無駄や公共事業や防衛予算がやり玉に上がってきた。債務残高対GDP比で言えば、社会保障費以外はバランスしている。社会保障費の中でも年金は近年の改革で出口が見えた。この社会保障費は必ずしも毎年バランスさせなければならないわけではなく、団塊、団塊ジュニアのボリュームゾーンを乗り越えれば楽になる。財政のなかで本当の課題は医療保険、介護保険。これらは債務残高対GDP比にしてもバランスしていない。


イスラエル、ネタニヤフ首相


通算12年も首相を経験。イスラエルのネタニヤフ首相がなぜ人気があるのか、外にいるとわかりにくい。実際にはそれほど人気があるわけではなく、スキャンダル含めスキの多い政治家なんだそうな。ゆえに「生き残りの天才」とも言われる

ネタニヤフは一貫した強硬路線。パレスチナ自治区に入植地を建設し、アメリカ大使館をエルサレムに移転。イスラエル国民だって今のパレスチナ政策が矛盾を抱えていることくらい気が付いているはずだ。パレスチナ人も含めた自国民に選挙権を与えればイスラエルはパレスチナの国になってしまう。かといって今のままではパレスチナ人を迫害しているに等しい。それでもリクード(政党)が第一党を保っていられるのは、サウジアラビアとの関係を良好に保っているという点が大きいようだ。なによりもそれがネタニヤフの功績なんだそうな。


カシミール紛争とアフガニスタン


カシミール紛争でパキスタン側についている過激派はアフガニスタンで戦うジハーディストだと言われている。事実、カシミールが騒がしくなったのは1989にソ連がアフガンから撤退して以降であり、2019年の今回の場合もアフガニスタンではタリバンとアメリカ政府の和平交渉が進んでいる。ジハーディストがアフガンとカシミールを行き来しているのだ。

そもそもパキスタン軍の諜報機関がテロ組織を飼ってるので、彼らには過激派を取り締まる能力がないと言われていた。しかしさすがに核戦争を嫌ったのか、今回はパキスタンは過激派の取り締まりを行った

トランプ大統領はグローバリゼーションの抱える問題の核心をついている




少し前に思いつきで、先進国の産業空洞化にとって保護主義はある種の打開策なのではないかという愚痴のような雑感のような記事を書いた。最近(2018/9/26づけ)ガーディアンの経済部編集者ラリー・エリオット(Larry Elliott)が同じような文脈で記事を書いてくれたのでそれを翻訳して紹介したいと思う。文中の「国家主義」はグローバリズムに対応する"nation state"を日本語訳したものである。

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ベーシックインカムか、それとも負の所得税か

Basic_Income_Performance_in_Bern,_Oct_2013


ここ数年でベーシックインカムの話題をよく耳にするようになった。興味を持ったので調べてみた。そこで気が付いたのだが、どうやらベーシックインカム(BI)が是か非かという話では済まないらしい。ベーシックインカムに懐疑的な識者でさえ現行の社会保障制度を変える必要があると考えている点に注目するべきだ。現行の社会保障システムは機能不全に陥っており、若い世代はベーシックインカムか、そうでないなら別のシステムを選ばなければならない、というわけだ。

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じょなさん

Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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