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初潮のお祝いに赤飯が出るみたいな文化は海外にも存在するのか




仲間内で話題になった話。某ラジオでそういう話があったということらしいのだが興味を持ったので掘り下げてみることにした。

調べてみると各国でいろんな風習が見つかったが、日本の風習とは何か違うなという印象も受けた。初潮にまつわる風習は信仰が強くかかわっている場合が多い。しかし一方でお赤飯の風習はすごく無宗教な感じがするのだ。

冷やし中華にマヨネーズをかけるか、お好み焼きにケチャップをかけるかといったご当地文化を調べるくらいの軽い気持ちで首を突っ込んだら意外と重かったので面食らってしまった。

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初潮にまつわる通過儀礼

宗教的理由から生理をタブー視する文化は多い。いわゆる「穢れ」であるがキリスト教圏では生理に関するタブーが少ない。カトリックやプロテスタントにはほぼ存在せず、正教会にすこし残っている程度である。すなわち正教では生理中の女性は聖体(儀式)を受けるべきではないとされている。ちなみにキリストは、旧約聖書では生理中の女性に触れることは禁じられているにもかかわらず、12年間出血が止まらない女が服に触れたことを許している。

そんなわけでキリスト教圏ではいい意味でも悪い意味でも初潮が重要視されていない。初潮のお祝いに母親からプレゼントをもらったというような話はあるが文化として根付いているわけではないようである。

ただキリスト教圏でもラテンアメリカにはキンセアネーラという文化、通過儀礼が存在する。女性の15歳の誕生日を特別なものとして祝う文化であり、初潮は直接には関係ないのだが、少女たちは15歳までに嫁入りの準備をし子を産むための知識を叩き込まれるということだ。

イスラム教徒は初潮を迎えたら大人の女性とみなされ、ヒジャブを身に着けることが好ましいとされている。地域によっても差があるようだが。

インドにはラトゥ・サダング(Ruthu Sadangu)と呼ばれる儀式が存在する。地域によって名前が違ったり内容が違ったりするようだが、南インドの風習で家族や親族で初潮を祝う。そのための衣装が用意されるのでかなり気合が感じられる。

スリランカでは初潮を迎えた日は少女の未来を暗示するものと考えられており、星占いが行われる。家族でお祝いのパーティが催され、少女にはプレゼントが送られる。

エチオピア、ベタ・イスラエル(ユダヤ人)の文化では月経は穢れとしてみられており、初潮を迎えた女性も生理中の女性も男性から隔離される。

ネイティブアメリカンの間にも初潮を重視する文化があり、部族によってかなり差があるのだが、多くの場合一年のうちに初潮を迎えた少女をまとめて祝うお祭りが存在する。そしてこれは何日にもわたって行われる場合が多い。

ネイティブアメリカン、ナバホ族のお祭、キンアルダ(kinaalda)では初潮を経験した女性たちが駆けっこをして肉体的な強さを示す。このお祭りは4日間にわたり開催される。アパッチ族やほかのネイティブアメリカンの部族にも似たような文化が見られる。

カナダの先住民、ヌートカ族でも勇敢さと強さが大事な資質と考えられており、初潮を迎えた女性は小舟で沖へと連れていかれ、海に放り込まれる。そこから少女は泳いで村へと帰る。村に戻るとお祝いのパーティが催され、少女は一人前の女性として認められる。

オーストラリア、アボリジニのティウィ族では娘が初潮を迎えると母親は少女のために小屋を建てる。村の女性たちは初潮を迎えた少女を小屋のある藪の中へと追立てて、初潮が終わるまで閉じ込める。少女は棒を使わずに食事をすることが禁じられ、水に触ること、水を見ることを禁じられる。つまり水がほしい時は誰かの助けを借りる必要がある。そして自分の手で体を掻くことが禁じられ、たとえどんな棒でもそれを燃やしたり、折ったりすることが禁じられる。囁くという方法以外での会話が禁じられる。初潮を終えると小屋は燃やされ、少女は川で清められる。そして村に戻った少女は婚約者をあてがわれる。

太平洋、ミクロネシアのウルシー族は娘が初潮を迎えると母親が娘のための小屋を建ててやる。娘は結婚するまでをこの小屋で過ごす。ウルシー族の村には生理中の女性が利用する浴場があり、女性たちはそこで祈りを捧げるという文化がある。

モロッコでは初潮を迎えた子の女性の家族をまるっと招待してパーティが開かれる。少女はお小遣いやプレゼントがもらえる。

ナイジェリアのティブ族では、初潮を迎えた少女はお腹に4本の傷を入れられる。これは多産を祈願する意味を持っている。

アシュケナジー(ヨーロッパのユダヤ人)の文化では初潮を迎えた少女は母親からビンタをされる。大抵の場合は「おめでとう」というお祝いの言葉とともに頬をはられるそうだ。あるいは「血を顔に逆流させなさい」というパターンもあるのだとか。この習わしの理由はわかっていないが大人の女性として不名誉なことはしないようにという戒めの意味が込められているともいわれる。

アフリカ、ザンビアのベンバ族では、初潮を迎えた少女が目上の女性にそのことを告げると、少女を温めるために火がたかれる。そして種(なんの種かは不明だが)が過熱調理され、少女はそれを焼けるように熱いうちに食べることを要求される。そして少女のためにダンスが踊られる。これは初めての性交の際の魔術的な意味での危険を避ける効果があるそうだ。壺に特別なシンボルが描かれ、少女は隔離される。

アフリカ、マラウィの南部には「ハイエナ」という文化が存在する。この文化の残る地域では初潮を迎えた少女は、穢れを浄化するために「ハイエナ」と呼ばれる男性と性交渉を持つ。少女の両親はこのハイエナにいくらかのお金を払うという話しだ。このハイエナがどのように決まるのかはわからなかったが、ハイエナはコミュニティに数人しかいない。つまり村の女性のほとんどが一人の男性(ハイエナ)と関係を持ったことがあるという状況も珍しくない。このハイエナは村の既婚男性が死亡した場合にも呼ばれ、死者を埋葬する前に寡婦と性交渉を持つことになっている。また女性が不妊状態にある場合にも呼ばれ性交渉を持つ。この文化は2016年に報道されて問題になったので直に無くなるかもしれない。

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Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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