FC2ブログ

ネトウヨのQアノン神話とスピリチュアルが交わる時

保守派、いわゆるネトウヨには詳しくないが、スピリチュアルにはそれなりになじみがある。身内にスピリチュアルがいるし、わたし自身、見る人が見ればスピリチュアルだと思う。だからスピリチュアルの空気感というのはよくわかっているつもりだ。(そして保守主義自体は否定していないのでそこは理解してもらいたい。)

2017年から始まったQアノンの陰謀論と言うのは一部の保守派の陰謀論だったわけだが、2020年の11月ごろから、つまりアメリカ大統領選挙で当時のトランプ大統領の敗戦が色濃くなった頃から、そのQアノンの陰謀論にスピリチュアル界隈が迎合していく様子が見られた。わたしが最初に気が付いたのはスピリチュアルのUFO信仰界隈からのQアノンへのアプローチだった。大統領となったドナルド・トランプは、それまでディープステートがひた隠しにしていた地球外テクノロジーを手中に収め、公開する準備をしているというものだ。具体的には、万能治療装置メドベッドが2021年内に公開されるのだという。UFO信仰界隈はトランプ大統領の編成したアメリカ宇宙軍に対してもロマンを感じていたようだ。そもそも、スピリチュアル界隈では2020年12月22日から「風の時代」へ突入するとされており(神智学系統の思想)、何かが起きるという期待感が充満していた。

弁護士ドットコムに寄せられた相談にも両者の接近を発見できる(60代母が「Qアノン」信奉者になりまして…「陰謀論」を垂れ流される娘の困惑)。

これはどこかの誰かが言っていたのをtumblrで見たのだが、「うだつの上がらない男はネトウヨに走り、うだつの上がらない女はスピリチュアルに走る」のだそうだ。これは言いえて妙だと思う。自分が特別でないことに気が付いてしまい、そのことを受け入れなれないものがスピリチュアルにはまっていく(わたしは間違ったスピリチュアルと本来のスピリチュアルとがあると考えている。そのあたりはこちらに触れている)。

何者かでありたいという想いが満たされない者は、自分の所属する国家や民族に自分を重ね合わせ、自分の国や民族が素晴らしいというナラティブを希求する。この欲求がQアノンの陰謀論を生んだのだと思う。

スピリチュアルが自己実現を達成できない者を引き付ける構図はもっとわかりやすい。なにしろマズローの自己実現理論、そこから派生するトランスパーソナル心理学と人間性回復運動という流れがスピリチュアルのバックボーンの一つになっているのだ。スピリチュアル界隈は理想の自分になれない者たちであふれている。人類史というストーリーの中で重要な役回りをもらえずに、それが圧倒的多数なのだが、そのことに納得のいかない人たちに満ち溢れている。

だから「一般の人々が知らない真実を自分たちは知っている」というレジスタンス的なストーリー、「私たちは不当に迫害されている」という悲劇のヒロイン的なストーリー、「何かをきっかけに突然自分を取り巻く環境が好転するのではないか」というシンデレラストーリーといったものに飢えているのだ。これはスピリチュアルのナラティブに当てはめると「神秘主義」であり、「霊的進化理論」と「ポジティブな終末論」であるが(詳しくは前述のこちらを読んでもらいたいが)、これらは「Qアノンの啓示」、「ディープステートによる言論統制」、「NESARA、GESARAの発動」などというQアノンのナラティブと見事に合致するように、わたしには思える。

ネトウヨとスピリチュアルが似たような欲求を共有しているという仮定が本当だとしても、今までは両者のナラティブが重なることは、神道をのぞけば、それほど多くはなかった。その点にとても興味深いものを感じる。

スピリチュアル・シーカーの中には現実社会で挫折しうつ病を患った経験を持つ者も少なくない。わたしの身内もその一人だ。向上心は精神の毒なのだ。現実社会に自分を合わせようとして自分を追い込んでしまう人々の中には、挫折を機に現実の方を歪めて自分に合わせようとする者がいる。精神を病むよりはよっぽどましなのかもしれないが、オウム真理教のたどった道と重ねて警鐘を鳴らす者もいる(トランプが残したカルトの土壌は日本にも。陰謀論垂れ流しに人々は毒されていく)。

広告

コメント

非公開コメント

プロフィール

じょなさん

Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

最新トラックバック

広告

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード