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WikiLeaksの騒動にフランス革命を垣間見る

フランス革命とwikileaks

彼はしばしば、世界を「ひとつの運動・活動の中に内在している矛盾に対する解として、別の運動・活動が出現するという、進歩の過程」として描写している。

Wikipedia のヘーゲルの項目から抜粋した。ヘーゲルが19歳の時にフランス革命が始まる。彼は隣国から、個々の相反する利害が生み出した混乱が、解を模索しながら一定の方向へ向かって進んでいく様子を見ていた。

フランス革命のひとつ目の解はナポレオンだった。ナポレオンは国民国家を率いた最初の皇帝だ。それまでの戦争は内閣が行うものだった。国民が戦争の影響をまったく受けなかったというわけではないが、結局のところ封建制は自分の直下の部下しか持たず、国民国家のようなトップダウンではなかった。

だからその時代の、国土の広さと国力との相関は低い。逆説的にこれ以降はアメリカ、ソビエト、中国と大国が力をつけていく。

つまり第二帝政下のフランスはその時代では国を挙げた総力戦が行える唯一の国だった。当然敵なしでヨーロッパを蹂躙した。クラウゼヴィッツがナポレオンを破ると、1871年、300の君主国はフランスに対抗するためドイツを形作った。フランスの総力戦が総力戦を呼んだ形だ。ご承知の通り、総力戦の連鎖はこの後の二度の世界大戦につながっていく。

件のフランスとドイツは1951年、EUの前進となる欧州石炭鉄鋼共同体を設立する。ヨーロッパを挟むように台頭する二大国、アメリカとソビエトが意識にあったのは間違いない。対して日本は地政学的に微妙で、アメリカ、ロシア、中国ととにかく大国の顔が近い。政治評論などでアメリカに寄る、中国に寄るという話題がでるが、大国に擦り寄ると吸収されるのでどちらもよろしくないと思う。しかも早熟だった所為で若干浮いている。韓国、朝鮮、台湾、少し遠いがASEANがほとんど人々の意識に上らない。

クロマグロの件で痛切に感じたのだが、EUはEU内の貿易規制が無いくせに25票持っている。長いものに巻かれるのもいいが、もっとうまい付き合い方もあるだろう。もちろん朝鮮と台湾は票が無いわけだが、つかえねーとか言っちゃいけない。

フランス革命は市民と特権階級の戦いだった。実は国王ルイ16世は意外と改革に積極的な意思を持っていた。彼は人権思想に理解があり、経済に明るいものを右腕として登用する。しかし政治家としてはヘタレ。すばらしいぶれっぷりで、マリー・アントワネットをはじめ、取り巻きに簡単に説得させられてしまう。

フランス革命の思想的下地を作ったのはルソーやヴォルテールだ。彼らの思想は危険とされ、ルソーは追放、ヴォルテールは亡命している。問題提起した啓蒙思想家、改革に理解を示す国王、既得権益にしがみつく聖職者と貴族、民主政治を求める市民、革命の波及を恐れる諸外国。これがフランス革命の混乱。第三共和制に落ち着くまでに二度も帝政を持ち出しているほどの混乱ぶり。

その後、フランス革命の生んだ自由は女神となってアメリカへ送られ、近代市民主義の諸原理、自由、平等、友愛は世界中の市民へ広がった。啓蒙思想がいうには、人々は共通の理性を持っている。人々は同じ道徳を共有できるはずだった。

ところが国境を消せなかった。フランス革命、明治維新、アメリカ南北戦争。聖職者、貴族、武士、公家、奴隷。たしかに国内で特権階級は無くなった。しかし啓蒙思想は国境を消せないままパックスアメリカーナという安定期に突入してひと段落してしまった。

「知る権利」という言葉があるように、情報を共有できなければ民主政治は機能しない。しかし国際政治は談合する。経済支援を賄賂に影響力を行使する。入植はやったもん勝ちで国際法は有名無実。法治国家が暗殺を企てる。常任理事国はまさに特権階級、世襲まで行われている。こういったことはWikiLeaksの裏づけを待つまでもなく膾炙されていた。しかし安定期にあってはだれも大きく取り上げない。国が理性を共有していない以上、機密性が国益をもたらす。機密性は交渉を有利に進める餌を貯蔵するが、腐敗の温床にもなる。

WikiLeaksの話題性は抜群だが目的はピンとこない。国連の不祥事もあれば狡猾なアメリカ像や要人に対する中傷。もちろんアメリカが一番わりを食っているとはいえ、一つの方向を向いているという印象は薄い。時を同じくした似たような事例、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像流出は与党批判、ある種のクーデターととる事もできるが、実はそうではないく、やはりこちらも政治的な意図は薄いのだと思う。

彼らは国民の知る権利を刺激しているのだ。ただの問題提起。フランスがルソーやボルテールを追放したように、アサンジ氏は国際手配される。アメリカがWikiLeaksのサーバーに圧力をかける。アマゾンがWikiLeaksとの契約を打ち切る。代わりにバーンホフがWikiLeaksを受け入れる。カード会社はWikiLeaksの決済を打ち切る。シンパはVISA、マスターカードをサイバー攻撃する。バーンホフは決済が滞れば提訴するとカード会社に警告。

アサンジ氏もどうも胡散臭いしルソーと並べるのもどうかと思うが、少なくとも人々は知る権利に興味を示している。それ以前から経済のあり方に対して大きな疑問が投げかけられている。最近の話題だとロシアがNATOとミサイル防衛を共有しようとしている。個人的にこれはすごく面白いと思う。軍隊を共有すれば軍隊なんか要らなくなるじゃないか。

近いうちに世界のあり方が変わるんじゃないかというような予感がある。経済ばかりグローバル化して国の枠組みはがちがちという今の世界はやはりいびつだと思う。フランス革命の頃、気候変動と噴火による不作が飢餓を招いたが、今は投機が飢餓を招いている。

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Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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