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ラップランドの創造神話

ラップランド神話の記事が長くなりすぎるので分割することにしました。ラップランドの神様の一覧記事はこちらから。

サーミ人の創造神話
サーミには2つの創造神話が残っている。最初に紹介する「太陽の娘の死」は断片しか残っておらず全体像が見えない。そのためサーミ人の創造神話といえば「巨人の国の太陽の息子」であり、サーミ人の世界観を知る重要な資料となる。ちょっとルイス・キャロルを意識した後者は忠実に訳すならば「太陽の息子の求婚 in 巨人の国」となる。こちらの神話ではサーミ人が太陽の子孫であることが語られている。ちなみに、この記事でも後で紹介しているが、サーミ語では太陽と太陽神の名前は同じ語である。

太陽の娘の死
太陽の娘が死の床についている。
彼女は太陽に会いたいと願う。
息子と孫娘がみまもる中、太陽の娘は再び太陽が昇るようにと祈りを捧げる。
息を引き取る最後の瞬間に、彼女は太陽に懇願する。再び姿を現すようにと。
彼女はサーミの人々を愛しており、彼らの苦しみを和らげてあげたかった。

巨人の国の太陽の息子
こちらは伝説上のサーミ人の祖先、ガイライバイルトニト(Gállá-bártnit)の出自に関するお話、冒険譚である。

あるとき太陽の息子の国は女性不足になり、太陽の息子は月と太陽の西へと嫁探しの旅に出る。月と太陽の西方は貴重な金属と宝に満ちていると考えられていた。

選りすぐりの従者を従えて国を出て、1年もすると太陽の息子の一行は巨人の国へとたどり着く。その地で太陽の息子は盲目の父親を連れた巨人の娘に出会い、2人はひと目で恋に落ちた。太陽の息子は巨人の娘を貰い受けるために父親と綱引き勝負をすることになる。その勝負では、巨人の娘が太陽の息子を勝たせるために策を弄したために太陽の息子が巨人を打ち負かす。

太陽の息子と巨人の娘は結ばれ、鯨の皮の上で結婚式を挙げた。ここで「彼女は乙女の靴を脱ぎ、彼の鍵を受け入れた」という表現で肉体的な関係を持ったことが示唆されている。彼らは小船に巨人の娘の用意したいくらかの金と銀を積み込み、息子の国へと旅立った。一方で巨人の娘の兄弟たちは娘がいないことに気がつき、太陽の息子を追う。しかしこの兄弟達はひとたび太陽の光を浴びると石化してしまった。

太陽の息子の国にたどり着いた2人は今度はサーミ式の結婚式を挙げた。この二人の子供達がガイライバイルトニト(Gállá-bártnit)、サーミの祖になった。ガイライバイルトニトは後に空へとのぼり、夜空に身を落ち着けた。

※備考、私見
夜空で輝くガイライバイルトニトというのは、すなわち白夜のことを語っているとも考えられているようだ。「太陽の娘の死」にしても、もう一度太陽が昇るようにという願いは極夜のことを連想させる。太陽が隠れるという神話はよくあって、しかしこういうのは大体日食と結び付けられているのだが、白夜、極夜というのは北極圏らしくて興味深い。性交渉により人々が作られたかのような描写も創造神話としてはめずらしい。

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Author:じょなさん
元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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